「生理中でもピラティスを続けたいけど、体に悪影響はないかな?」「生理痛があるときにピラティスをして大丈夫?」そんな疑問を持つ女性は多いのではないでしょうか。実は、生理中のピラティスは適切に行えば様々なメリットがあることが分かっています。
生理中のピラティスに関する基本的な疑問
生理中にピラティスをしても大丈夫?
体調が悪くなければ生理中に運動してもいいとされており、ピラティスのようなゆるやかなエクササイズであれば、体調に合わせて無理なく実践するのはOKです。産婦人科医でスポーツドクターの高尾美穂先生も「本人が運動をしたいと思うような状態であれば、全く問題ありません」と述べています。
ピラティスは他の激しい運動と異なり、負荷量を自分で調整しやすいという特徴があります。そのため、生理中でも自分の体調に合わせて無理なく続けられるのが大きなメリットです。
医学的な観点から見た生理中の運動
生理時の運動は問題ありませんが、運動の強度は体調と相談しながら判断することが大切です。生理中は体調に変化が出やすいため、激しい運動や、長時間の運動は避けた方がいいでしょう。
特に注意が必要なのは、生理中の貧血リスクです。生理は失血により酸素運搬能が下がる機会とも言えます。そのため、めまいや立ちくらみが起こりやすくなる可能性があります。
生理中のピラティスがもたらす5つのメリット
1. 生理痛の緩和効果
ピラティスは負荷量を自分で調整しやすいエクササイズで、自分の体調に合わせて運動を楽しめるほか、生理痛の悪化も防げるという特徴があります。
生理痛は、ホルモンバランスの乱れ、冷え、運動不足など、さまざまな原因によっておこります。特に、身体が冷えて血行が悪くなると子宮の筋肉が硬くなり、不要な子宮内膜を排出するために子宮が強く収縮することで、生理痛を引き起こすといわれています。
ピラティスによる血行改善は、生理痛の根本的な原因である血行不良を改善する効果が期待できます。
2. 血行促進と内臓の活性化
胸式呼吸を取り入れると、横隔膜や腹横筋、骨盤底筋をしっかりと動かし、内臓の細胞を活性化させられるという効果があります。インナーマッスルを中心に、全身をまんべんなく動かして筋肉や神経を刺激するピラティスは、全身の血行を促す効果が期待できます。
この血行促進効果により、筋肉がほぐれ、血流が良くなったり、骨格のゆがみが改善されたりするので、生理痛緩和にも効果があると言われています。
3. メンタルの安定とストレス解消
ピラティスには、気分をリフレッシュさせる効果もあります。エクササイズすることで分泌されるセロトニンは、精神の安定や幸福感に深く関わっています。
ピラティスは、たくさんの神経が通る背骨周辺を動かすことで、生きるためのはたらきをコントロールする「脳幹」を刺激し、セロトニン神経を正常に働かせます。
生理中のホルモンバランスの乱れによる情緒不安定な状態も、ピラティスのメンタル安定効果で緩和できる可能性があります。
4. 自律神経の調整
ピラティスのエクササイズには自律神経を整える効果があります。ピラティスは常に身体の動きに集中し続けるエクササイズ。微細な背骨の動きや骨盤の傾きに意識を向けながら動いていくとで、自然と脳が「瞑想」状態になります。
5. 研究で証明された効果
イスタンブール大学の学生を対象におこなわれた研究では、3ヶ月間ピラティスエクササイズをおこなったチームは、ピラティスをしなかったチームに比べ、PMSスコアが有意に低いという結果になりました。
この研究結果は、ピラティスが生理前症候群(PMS)の症状緩和に科学的に効果があることを示しています。
生理中のピラティスで注意すべき7つのポイント
1. 体調の変化に敏感になる
生理中には、生理痛以外にも貧血やめまいなど、体調不良がおこりやすくなります。ピラティスのエクササイズ中にめまいや立ちくらみなどの症状が現れたら、レッスンを中断し、呼吸を整えましょう。
無理に動きを続けると、マシンから転倒したり、怪我をしたりする危険性があります。
2. 特に注意が必要な場面
特に注意したいのは、以下の場面です:
– 寝ている状態からいきなり立ち上がるとき
– 心拍数が急激に上がるエクササイズ後
– ロールオーバーなどの逆位のエクササイズ中、エクササイズ後
3. 運動強度の調整
生理中にピラティスを行う場合、通常よりも軽めのエクササイズを選ぶと良いでしょう。例えば、腹筋を強く使う動きや逆さになるポーズは避け、リラックス効果の高いストレッチや呼吸法に重点を置くようにして下さい。
4. 水分補給の重要性
生理中は普段よりも体内の水分バランスが崩れやすく、脱水症状を引き起こしやすくなります。ピラティスを行う際は、常に水分補給を心がけることが重要です。
5. 体温管理
生理中にエクササイズやスポーツをする場合は、身体が冷えないように室温を管理する、ウェアを重ね着するなどして工夫しましょう。
6. 経血量の多い日は控える
経血の量が多い時期や生理痛が重い場合は、運動により血液量が増えることも予想されます。ご自身の体調をよく観察して無理のない範囲で行いましょう。
7. 腹部への圧力に注意
生理中にマシンピラティスのレッスンを受ける場合は、比較的強度が低いものを選択し、お腹にかける圧も強くなりすぎないように注意しましょう。
生理中のピラティスに適したウェア選び
基本的なウェア選びのポイント
生理中にマシンピラティスを快適にするためには、適切なウェア選びが重要です。
- 色の選択:万が一のときに備えて、経血が漏れても目立ちにくい、濃い色のボトムスを選ぶとよいでしょう
- 防寒対策:生理痛は、身体が冷えると悪化してしまいやすいです。ピラティスによって汗をかき、その汗が冷えてしまうと、身体を冷やすことにつながってしまいます
- 体型変化への対応:生理前後はバストサイズが変わることもあるため、きつすぎないウェアを選ぶことが大切です
生理用品の選び方
ピラティスのエクササイズでは、頭より骨盤の位置が高くなるエクササイズもあります。万が一、経血が漏れてしまったときに備え、黒や紺など、暗い色味のレギンスやパンツがおすすめです。
| 生理用品 | メリット | デメリット | ピラティス適性 |
|---|---|---|---|
| ナプキン | 使いやすい、肌に優しい | ずれやすい、漏れの心配 | ○(軽い動きの場合) |
| タンポン | 漏れにくい、動きやすい | 慣れが必要 | ◎(動きの多い場合) |
| 月経カップ | 長時間使用可能、経済的 | 慣れが必要、初期投資 | ◎(長時間レッスン) |
| 吸水ショーツ | 漏れ防止、快適 | 洗濯が必要 | ○(軽い日におすすめ) |
生理の各段階に適したピラティスの取り組み方
生理初日〜2日目(経血量が多い時期)
この時期は最も体調が変化しやすく、経血量も多いため、無理は禁物です。
この時期のピラティスは「やらなくても大丈夫」という心構えが重要です。
– 推奨度: 体調次第で休息を優先
– 適した動き: 呼吸法、軽いストレッチ
– 避けるべき動き: 逆位のポーズ、激しい腹筋運動
生理3日目〜終了まで
生理初日から3日目くらいまでのつらい時期を脱したら、体が軽くなりアクティブに動ける生理後に向けて、徐々に体を動かしていくとよいでしょう。
– 推奨度: 軽めの運動から徐々に強度を上げる
– 適した動き: 基本的なピラティス動作、骨盤底筋エクササイズ
– 注意点: 急激な体位変換は避ける
生理終了後
この時期は最もピラティスに適した時期です。
– 推奨度: 通常通りのピラティス
– 適した動き: 全てのピラティス動作
– 効果: 最も効果的な時期
生理中におすすめのピラティスエクササイズ
1. 呼吸法中心のエクササイズ
ピラティスは、深い胸式呼吸をおこないながら、背骨や骨盤を中心とした全身のコントロール術を身につけるエクササイズ。高い負荷をかけることや、回数を多くこなすことではなく、「身体の動かし方」を重視するため、生理中の運動にぴったりの強度だといえるでしょう。
基本の胸式呼吸
1. 仰向けに寝て、両手を肋骨の下に置く
2. 息を吸いながら肋骨を横に広げる
3. 息を吐きながら肋骨を中央に寄せる
4. 5-10回繰り返す
2. 骨盤底筋エクササイズ
無理のない範囲で、ストレッチやヨガなどで股関節を動かすようにすると、血行がよくなり、症状を和らげるのに有効です。
骨盤傾斜運動
1. 仰向けに寝て、膝を曲げる
2. 息を吸いながら骨盤を後傾させる
3. 息を吐きながら骨盤を前傾させる
4. ゆっくりと5-8回繰り返す
3. 軽いストレッチ系エクササイズ
生理中にピラティスを行う場合は、運動量の高いピラティスエクササイズより、軽めのストレッチやリラックスできる動きを中心に行うと良いでしょう。
キャットストレッチ
1. 四つん這いになる
2. 息を吸いながら背中を反らせる
3. 息を吐きながら背中を丸める
4. ゆっくりと5-8回繰り返す
生理中のピラティスを継続するための心構え
1. 完璧主義を手放す
生理中にピラティスのレッスンを受けると、いつもの自分の状態と違うことに、驚くこともあるかもしれませんが、生理中の無理は禁物です。エクササイズがうまくできないことを気にするより、「今日は気分転換のために楽しむ!」と割り切って、自分の状態を受け入れ前向きな気持ちを保ちましょう。
2. 自分の体との対話を大切にする
生理中の身体は、普段の状態とは異なります。そのため、普段どおりに動こうとするのではなく、現在の身体の状態に合わせて、無理せず動くようにしましょう。
3. 長期的な視点を持つ
生理中に無理をして体調を崩すよりも、長期的に継続できる方が重要です。1回休んでも、継続できる習慣を作ることが大切です。
生理中のピラティスに関するよくある質問
Q1: 生理中のピラティスでかえって生理痛が悪化することはありますか?
万が一、運動によって生理痛が悪化したり、体調が優れない場合は、すぐに運動を中止し、必要に応じて医師に相談してください。
適切な強度で行えば生理痛の緩和効果が期待できますが、体調に合わない場合は無理をしないことが大切です。
Q2: マシンピラティスとマットピラティス、どちらが生理中に適していますか?
両方とも生理中に行うことができますが、マシンピラティスの方が以下の理由で適している場合があります:
– マシンのサポートがあるため、正しい姿勢を保ちやすい
– 負荷の調整が細かくできる
– 無理な動きになりにくい
Q3: 生理中のピラティスレッスンで講師に伝えるべきことはありますか?
以下の点を事前に伝えることをお勧めします:
– 生理中であること
– 体調の状態
– 避けたい動きがあること
– 途中で休憩が必要な場合があること
まとめ:生理中のピラティスを上手に活用しよう
生理中のピラティスは、適切な知識と配慮があれば、むしろ体調改善に役立つ素晴らしいエクササイズです。重要なのは以下の点です:
基本原則
1. 体調を最優先に考える
2. 無理をしない
3. 強度を調整する
4. 水分補給を怠らない
5. 適切なウェアを選ぶ
期待できる効果
– 生理痛の緩和
– 血行促進
– ストレス解消
– 自律神経の調整
– メンタルの安定
注意すべき点
– 貧血やめまいのリスク
– 経血漏れの対策
– 体温管理
– 運動強度の調整
実は生理中でも運動をすることにはメリットがあります。軽い運動は血行を促進し、生理痛の緩和に役立つことが知られています。
生理中のピラティスは「我慢してでも続ける」ものではなく、「体調に合わせて上手に活用する」ものです。
自分の体の声に耳を傾けながら、無理のない範囲でピラティスを続けることで、生理期間中も快適に過ごすことができるでしょう。何か気になる症状がある場合は、必ず医師に相談することも忘れないでください。
月経は女性の健康な証拠でもあります。ピラティスを通じて、自分の体とより良い関係を築いていきましょう。
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